Capítulo 1 de 2 · A2 · Fácil
山ねこからのはがき
El gato montés y las bellotas
ある土曜日の夕方、一郎の家に、おかしなはがきがとどきました。「あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。山ねこ拝」。字はとてもへたで、墨はがさがさしていました。でも一郎はうれしくてたまらず、家じゅうとんだりはねたりしました。
次の朝、一郎は谷川にそった小道を、一人で登っていきました。「栗の木、栗の木、山ねこがここを通らなかったかい」と聞くと、栗の木は「山ねこなら、けさ早く、馬車で東の方へ飛んで行きましたよ」と答えました。笛ふきの滝は「西の方へ」、白いきのこは「南の方へ」、りすも「南の方へ」と答えました。みんな言うことがちがうので、一郎は首をひねりました。
一郎は、急な坂を汗を流して登りました。すると急に明るくなって、美しい金色の草地に出ました。草地のまん中に、背の低いおかしな形の男が、革のむちを持って立っていました。片目で、足は山羊のようにひどく曲がっていました。「わしは山ねこさまの馬車別当だよ」と男は言いました。
一郎が、はがきの字はなかなか上手だとほめると、別当は耳まで真っ赤になって喜びました。はがきを書いたのは、この別当だったのです。そこへ風がどうとふいて、黄色い陣羽織を着た山ねこがあらわれました。